大学を職業訓練校化するという暴言
以下のような情報が組合員からよせられました
耳を疑うような発言ですね
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文科省のWebサイトに 「実践的な職業教育を行う新たな高等教育機関の制度化に関する有識者会議(第1回) 配付資料」 というページがアップされています。
大学を職業訓練校化するという、今年5月の安倍首相のOECDの会議での発言
http://www.kantei.go.jp/jp/96_abe/statement/2014/0506kichokoen.html
「日本では、みんな横並び、単線型の教育ばかりを行ってきました。小学校6年、中学校3年、 高校3年の後、理系学生の半分以上が、工学部の研究室に入る。こればかりを繰り返して きたのです。 しかし、そうしたモノカルチャー型の高等教育では、斬新な発想は生まれません。 だからこそ、私は、教育改革を進めています。学術研究を深めるのではなく、もっと社会の ニーズを見据えた、もっと実践的な、職業教育を行う。そうした新たな枠組みを、高等教育に 取り込みたいと考えています。」
を受けて行なわれている会議なのでしょうが、
この中で冨山和彦氏が提出した文書
「我が国の産業構造と労働市場のパラダイムシフトから見る高等教育機関の今後の方向性——今回の議論に際し通底的に持つべき問題意識について——」
が注目に値します。
すなわち冨山氏は、大学を少数のGlobal型大学と多数のLocal型大学とに分けて、L型大学では
「文学・英文学部」では「シェイクスピア、文学概論」ではなく、 「観光業で必要となる英語、地元の歴史・文化の名所説明力」を
「経済・経営学部」では「マイケルポーター、戦略論」ではなく、「簿記・会計、弥生会計ソフトの使い方」を
「法学部」では「憲法、刑法」ではなく、「道路交通法、大型第二種免許・大型特殊第二種免許の取得」を
「工学部」では「機械力学、流体力学」ではなく、「TOYOTAで使われている最新鋭の工作機械の使い方」を
学ばせるべきだと論じています。言うまでもなく、暴論の極みであるわけですが、上に引用 した安倍首相の発言(言うまでもなく、これもまた暴言なのですが)と極めて良く符合している ところからすると、安倍首相の発言の源泉はまさにこの冨山氏の考えなのではないかとすら 思われます。
もちろん、こういった暴論・暴言を無教養のなせる業と嘲笑することは簡単ですが、そういう 暴論・暴言を振りかざしているのが首相であり、しかもこの首相はとりわけ教育改革(もちろん 実際には、教育大改悪)に熱心であるということを考えると、この動きを侮るべきでは決して ないと考えます。今からこれに対する対抗措置をとり、かつ世論を喚起して、このような暴論・ 暴言がまかり通ることのないように行動していくべきではないでしょうか。