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エルムの森だより

北海道大学教職員組合執行委員会ブログ

執行員会声明「正当性なき教員数削減方針の撤回を求める」です

正当性なき教員数削減方針の撤回を求める

2016915北海道大学職員組合執行委員会

8 22 日に開催された臨時部局長等連絡会議で、大学は、運営費交付金の減額、年金一元化に伴う支出 増等による財政悪化を理由に、平成 29 年度から 33 年度までの 5 カ年で、教授 205 名(2016(平成 28)年 度比 14.4%減)に相当する人員削減方針(「第3期中期目標期間における人件費抑制のための教員人件費ポ イントの削減方策について(案)」)を提案しました。提案によれば、各部局には毎年の教員数を削減目標が 割り当てられています(ただし、医学部、歯学部、小部局を除く)。それは年度による差が激しく、特に初 年度となる 2017(平成 29)年度に、大きな削減が求められています。

教員数削減の目標は、退職者の不補充、任期付き教員の雇い止め等により達成することとされています。 目標達成できない部局は、新規の採用・昇任人事が行えなくなるほか、部局配分経費が数千万円の規模で カットされます。大学側は、各部局の意見を聞いた後、教育研究評議会で審議、10 月には教員数削減方針 を決定しようとしています。

この方針が予定通り実施されれば、期間中に退職者の出る講座や部門では、後任教員を採用することが できなくなります。当該分野の学問の継承が阻害され、学問体系の破壊にもつながります。安全衛生の責 任者がいなくなるなど、広く影響が出ることになります。また、教員数削減は人事の停滞をもたらします。 長らく内部昇進が行われなくなれば、士気の低下を招くことは必至です。さらに、現在任期付の職に就い ている多くの前途ある教員・研究者のキャリアと生活を破壊します。大学が研究・教育を通じて社会的責 務を果たし、発展していくことを願う私たちは、このような人員削減を到底認めることはできません。

そもそもの問題は、大学に人減らしや自分で稼ぐことばかりを強いる国の政策に起因するものです。と ころが、大学の提案は、こうした政策の誤りや、北大の経営責任について一切触れていません。また、仮に 財政状況が危機的状況にあったとしても、人員削減以外の危機打開策はないのか、その検討も不十分だと 言わなければなりません。

北大ではすでに、小泉構造改革により、第 1 期中期目標期間中、政府から総人件費 5%以上の削減が求め られたのに対して、事務系・技術系職員 10%もの人員削減(教員は 2%程度)を行い、組織の極度なスリ ム化を行ってきました。その結果、非正規雇用が拡大し、職員全体の雇用・労働条件が悪化しました。一 方、職場の多忙は解消せず、長時間労働が蔓延しています。職員の心身にわたる健康被害も深刻な状況に あります。今回、教員数が削減されても業務量は減らないため、同じことが繰り返されるのは確実です。

もちろん、大学の業務量は単に減らせばよいというものではありません。もし、教員数削減に合せて全 学教育の授業科目数を削減すれば、北大が掲げる全学教育の理念は画餅に帰すことになるでしょう。同様 に、教職課程の維持も困難になります。こうした点を顧慮することなく行おうとしている今回の案は、“教 員数削減ありき”だと言わなければなりません。それは、北大が社会に対して負っている責任を放棄する に等しいものです。

このように、今回の大学の提案は何ら正当性を持つものではありません。北海道大学職員組合は、こ の提案を撤回することを求めます。その上で、北大の発展方向と財政上の問題について全学的に議論し、 各方面に対して事態打開のための働きかけを行っていく必要があると考えます。