エルムの森だより

北海道大学教職員組合執行委員会ブログ

納得できない北大の年俸制新任教員の給与の一方的削減,対象は百数十名

以下の情報が寄せられました

執行委員会では,この問題を重視して

北大当局に真摯な対応を求めていきます

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新任の年俸制教員の給与が減額となりました

 

今年度はじめ、学内便で大学から通知がとどいた。文面の記憶は正確ではないが、「平成283月をもって総長リーダーシップ経費が終了したことをお知らせします。」という趣旨の1行の文であった。何のことか・・・雲をつかむような内容。

7月になり、年俸制について説明にうかがいたいと所属部局の人事課から連絡があり、人事課長と係長がやってきた。どうやら、昨年度に新任となった年俸制教員の給与が今年から減ることの説明であった。年額492千円であり、月あたり41千円の減額となった。しかし、1年前に受け取った雇用通知書にはそのような時限付の金額が給与に入っていることは一切かかれていないし、説明もなかった。しかし事務サイドは、財源もないので納得してほしいということで、今回の説明を受けて納得したというサインを要求してきた。そもそも誰に対するサインなのかあやしいし、説明も腑に落ちない。このようなことをみとめると雇用通知の内容を事後的に勝手に変えられかねない、という危惧を述べ、事務の2人には帰っていただいた。

8月に入り、今度は本部の事務が2人やってきた。まず部局の事務が対象者へ説明に行き、その後納得いただけない教員(サインをしなかった教員)にはあらためて本部の担当者が説明に行っているとのこと。非常に丁寧で、前回の疑問点についても、きちんと答をもってきていた。こちらから労働基準法をみたが(今回のことは抵触するのでは)と質問したら、裁判は時間がかかるからさけた方がいいです・・・、と逆に牽制された。部局で年俸制の説明が行き届かなかったのだから、改めて大学がちゃんと説明するのが筋ではないのか、と提案したが、難しいです、の一言。さらに、今回このような減額措置の対象となっている新任教員は100数十名もいるといこと!

そもそも、年俸制は国が推進している国公立大学の新たな給与システムであり、昨年度から北大の新任教員として雇用された人は無条件で年俸制での契約となっている。年俸制の中身は、基本給と業績給からなっている。基本給は職階や年齢に応じるが、業績給は前の年の業績評価によって変動する性質にある。年俸制教員は、論文数、学会発表数、学生指導数、授業担当数、外部資金獲得など、いくつかの項目の達成によってランク付けされ、ランクによって業績給が異なる仕組みである。しかし、実際にはどのような項目があり、それがどの程度達成されていればどのランクとなるという明確な基準は、雇用者である教員側に知らされていない不透明なシステムである。

今回のように、雇用通知書に業績給○○○円と書かれているだけでは、その金額の算出根拠もわからない。自分の業績が評価された結果と受けとめるのが普通であろう。まだ業績の評価も経ていない段階で、減額である。事前に部局からも大学からも給与について説明もなく、今回のリーダーシップ経費が減額されるなど、まったく知りようがないのである。労働基準法に違反する事案ではないだろうか?今もって公式な謝罪もなければ、給与の補てん案もない。大学の真摯な対応を求めたい。