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エルムの森だより

北海道大学教職員組合執行委員会ブログ

財務省も文科省も、大学の裁量的な予算を削っているだけ

2017(平成29)年度政府予算の編成が大詰めを迎え、財務省文科省の議論が白熱しています。

 

財務省財政制度等審議会11/4)は、国立大学法人運営費交付金については、

国立大学法人運営費交付金については、各国立大学の取組構想の進捗状況を確認し、予め設定した評価指標を用いて、その向上度合に応じて適切な評価を実施するとともに、これに基づきメリハリのある配分を行うことにより、国立大学の改革を国としてしっかりとサポートする」

「また、自らの収益で経営していく力を強化していくことも重要であり、国立大学が民間企業との共同研究の拡大や寄附金収入の拡大など、運営費交付金以外の収入を多様化し、かつ、増幅させることが不可欠」

と述べています(「文教・科学技術」24ページ)。

www.mof.go.jp

ようするに、政府の言う通りに改革(「機能強化促進」)すれば金を出す、後は自分で稼げ、ということです。

 

運営費交付金は減っていないと主張する財務省に対して、文科省は、法定福利費の増、消費税改定の影響等、「義務的支出増」を考慮すれば、運営費交付金は見かけ以上に減っている(2ページ)。「教育研究を支える基幹的な教員の体制確保は運営費交付金でなければできない」(6ページ)、などと反論しています。

財政制度等審議会財政制度分科会における国立大学法人運営費交付金に関する主張に対する文部科学省としての考え方:文部科学省

 

話が噛み合っていません。「機能強化促進」も「義務的支出増」も大学が裁量的に使える予算を減らすものなのに、ともに片方のことしか言っていないからです。

 

しかも、文科省は来年度予算の概算要求では、相変わらず「機能強化促進」を増額する一方、自らが運営費交付金目減りの原因だと指摘していた「義務的支出増」については、要求していません(「高等教育局主要事項―平成29年度概算要求―」)。

http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2016/08/30/1376639_1.pdf

これでは、各国立大学法人が経営の苦境を打開できないことは確実です。

 

「機能強化促進」経費を廃止し、その分を各大学が裁量的に使える「基幹的運営費交付金」に回すべきです。8月24日の国大協要望書(「平成28年度補正予算及び平成29年度予算における国立大学関係予算の充実について(要望)」)はこのことを正しく指摘しています。

一般社団法人 国立大学協会 <新着情報>提言等水落敏栄 文部科学副大臣及び樋口尚也 文部科学大臣政務官に予算・税制改正の要望書を提出(8/24)

 

平成28年度からは機能強化の方向性に応じた重点配分が導入されたことにより、各国立大学は3つの重点支援枠及び人件費率によって0.8%~1.6%の係数が設定され、この係数によって捻出された財源が、重点支援の評価に応じて機能強化経費として各大学へ再配分されました。結果として、国立大学の教育・研究を実施する上で最も必要な基幹経費は減少することになり、このままでは、教育・研究の基盤維持にも困難が生じ、我が国の基礎研究の水準が、諸外国に著しく立ち遅れることになります。」

 

文科省財務省は、この声を真剣に受けとめるべきです