厳格な業績評価に基づく新たな年俸制
安倍内閣は6月15日の閣議で経済財政運営と改革の基本方針 (主なポイント),未来投資戦略2018 (概要),統合イノベーション戦略 (概要)を決定しました。
それを受け文科省は6月22日の国立大学法人等人事担当者説明会で
人事給与マネジメント改革の動向及び今後の方向性,Q&Aについて説明しました。
その中で年俸制の見直しについて,
1)年俸制の定義を拡大
2)多様な雇用形態を可能とする
3)業績評価とその処遇への適切な反映の徹底
等を上げ,4つのモデルを提示しています。
新たな年俸制は基本給を大幅に減らして業績給を増やし,総人件費も圧縮するという狙いでしょう。業績主義の強化により差別と教員間の分断が持ち込まれる可能性が強くなるといえるでしょう。
国立大学協会は2018年8月に国立大学の改革の方向性を出しました。
北大では以下の様な方針を決めていますが,新年俸制の内容はまだ明らかではありません。
1)2018年度末をもって,現行の年俸制に係る新規適用を終了させる
2)2018年3月1日に現行年俸制へ移行できる機会を確保する
3)現行年俸適用者はその取り扱いを継続する
4)新たな年俸制は2019年4月以降策定し,それ以降移行申出を開始
5)2019年4月~新年俸適用の間の新規採用教員は月給制を採用する
北大は教員人件費を7.5%減らしてもなお赤字になる見通しを立てており,総人件費抑制・全体の賃金引き下げになる可能性は極めて高いといえるでしょう。教員の退職金もこの6年で約600万円も減額され,この先も明るい展望はありません。
働きがいのある職場・落ち着いて研究をする環境,それを保障する賃金の確保はどうしても必要です。定年も65才に引き上げなければならないでしょう。
運営費交付金の増額は喫緊の課題ではないでしょうか。