「優秀な人材が逃げる…」地方国立大、人件費削減に悲鳴(朝日新聞11/24)
北大の教員人件費削減問題が連日、新聞報道されています。各紙とも、教員数の削減、大学の研究・教育組織のリストラが、学術と高等教育に深刻な影響を及ぼしていることに警鐘を鳴らしています。
朝日新聞の記事では、当ブログも紹介されています。
国立33大学で定年退職者の補充を凍結 新潟大は人事凍結でゼミ解散(YaHoo newsより)
以下の情報が寄せられました
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北大と同じような状況は全国33国立大にも起きている
ようです
「大隅良典さんのノーベル医学生理学賞受賞決定に沸く日本だが、大隅さんの研究の舞台となったのも国立大であり、このまま教員が削減されれば国立大学が地盤沈下しかねない状況だ。」(Yahoo Newsより)
以下の記事の中で文科省は財政が厳しいなら各大学が学費値上げも
ありえるなどと無責任な発言があります
基礎研究の場であり,人材育成の要である国立大の
衰退は国の将来を危うくします
政府文科省の責任は大きいです
以下YaHoo newsです
納得できない北大の年俸制新任教員の給与の一方的削減,対象は百数十名
以下の情報が寄せられました
執行委員会では,この問題を重視して
北大当局に真摯な対応を求めていきます
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新任の年俸制教員の給与が減額となりました
今年度はじめ、学内便で大学から通知がとどいた。文面の記憶は正確ではないが、「平成28年3月をもって総長リーダーシップ経費が終了したことをお知らせします。」という趣旨の1行の文であった。何のことか・・・雲をつかむような内容。
7月になり、年俸制について説明にうかがいたいと所属部局の人事課から連絡があり、人事課長と係長がやってきた。どうやら、昨年度に新任となった年俸制教員の給与が今年から減ることの説明であった。年額49万2千円であり、月あたり4万1千円の減額となった。しかし、1年前に受け取った雇用通知書にはそのような時限付の金額が給与に入っていることは一切かかれていないし、説明もなかった。しかし事務サイドは、財源もないので納得してほしいということで、今回の説明を受けて納得したというサインを要求してきた。そもそも誰に対するサインなのかあやしいし、説明も腑に落ちない。このようなことをみとめると雇用通知の内容を事後的に勝手に変えられかねない、という危惧を述べ、事務の2人には帰っていただいた。
8月に入り、今度は本部の事務が2人やってきた。まず部局の事務が対象者へ説明に行き、その後納得いただけない教員(サインをしなかった教員)にはあらためて本部の担当者が説明に行っているとのこと。非常に丁寧で、前回の疑問点についても、きちんと答をもってきていた。こちらから労働基準法をみたが(今回のことは抵触するのでは)と質問したら、裁判は時間がかかるからさけた方がいいです・・・、と逆に牽制された。部局で年俸制の説明が行き届かなかったのだから、改めて大学がちゃんと説明するのが筋ではないのか、と提案したが、難しいです、の一言。さらに、今回このような減額措置の対象となっている新任教員は100数十名もいるといこと!
そもそも、年俸制は国が推進している国公立大学の新たな給与システムであり、昨年度から北大の新任教員として雇用された人は無条件で年俸制での契約となっている。年俸制の中身は、基本給と業績給からなっている。基本給は職階や年齢に応じるが、業績給は前の年の業績評価によって変動する性質にある。年俸制教員は、論文数、学会発表数、学生指導数、授業担当数、外部資金獲得など、いくつかの項目の達成によってランク付けされ、ランクによって業績給が異なる仕組みである。しかし、実際にはどのような項目があり、それがどの程度達成されていればどのランクとなるという明確な基準は、雇用者である教員側に知らされていない不透明なシステムである。
今回のように、雇用通知書に業績給○○○円と書かれているだけでは、その金額の算出根拠もわからない。自分の業績が評価された結果と受けとめるのが普通であろう。まだ業績の評価も経ていない段階で、減額である。事前に部局からも大学からも給与について説明もなく、今回のリーダーシップ経費が減額されるなど、まったく知りようがないのである。労働基準法に違反する事案ではないだろうか?今もって公式な謝罪もなければ、給与の補てん案もない。大学の真摯な対応を求めたい。
大学の軍事研究について北海道の大学高専関係者のアピール
北大の教員人件費大幅削減案に対して各学部から反対意見が続出
以下の情報の提供をいただきました
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文系と理系の各学部の長,研究所長,研究センター長が
それぞれ連名で反対意見を総長に提出しました.
反対意見は,
今回の提案が,根拠に関する説明も
十分でない唐突なものであり,
実施されると世界ランキング100を目指す
北大にふさわしい教育研究の質の確保が
困難になり,むしろ深刻な影響が
危惧されるとしています
北大の教員数削減案がYaHoo Newsで取り上げられました
情報提供いただきました
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北大の教員ポスト削減案がYaHoo Newで取り上げられました
本当に世界ランキングを目指す大学のやることなのか
という意見には共感します
学術体制が揺らぐようでは,日本の将来は暗いですよね
http://bylines.news.yahoo.co.jp/ishiwatarireiji/20160923-00062472/
執行員会声明「正当性なき教員数削減方針の撤回を求める」です
正当性なき教員数削減方針の撤回を求める
8 月 22 日に開催された臨時部局長等連絡会議で、大学は、運営費交付金の減額、年金一元化に伴う支出 増等による財政悪化を理由に、平成 29 年度から 33 年度までの 5 カ年で、教授 205 名(2016(平成 28)年 度比 14.4%減)に相当する人員削減方針(「第3期中期目標期間における人件費抑制のための教員人件費ポ イントの削減方策について(案)」)を提案しました。提案によれば、各部局には毎年の教員数を削減目標が 割り当てられています(ただし、医学部、歯学部、小部局を除く)。それは年度による差が激しく、特に初 年度となる 2017(平成 29)年度に、大きな削減が求められています。
教員数削減の目標は、退職者の不補充、任期付き教員の雇い止め等により達成することとされています。 目標達成できない部局は、新規の採用・昇任人事が行えなくなるほか、部局配分経費が数千万円の規模で カットされます。大学側は、各部局の意見を聞いた後、教育研究評議会で審議、10 月には教員数削減方針 を決定しようとしています。
この方針が予定通り実施されれば、期間中に退職者の出る講座や部門では、後任教員を採用することが できなくなります。当該分野の学問の継承が阻害され、学問体系の破壊にもつながります。安全衛生の責 任者がいなくなるなど、広く影響が出ることになります。また、教員数削減は人事の停滞をもたらします。 長らく内部昇進が行われなくなれば、士気の低下を招くことは必至です。さらに、現在任期付の職に就い ている多くの前途ある教員・研究者のキャリアと生活を破壊します。大学が研究・教育を通じて社会的責 務を果たし、発展していくことを願う私たちは、このような人員削減を到底認めることはできません。
そもそもの問題は、大学に人減らしや自分で稼ぐことばかりを強いる国の政策に起因するものです。と ころが、大学の提案は、こうした政策の誤りや、北大の経営責任について一切触れていません。また、仮に 財政状況が危機的状況にあったとしても、人員削減以外の危機打開策はないのか、その検討も不十分だと 言わなければなりません。
北大ではすでに、小泉構造改革により、第 1 期中期目標期間中、政府から総人件費 5%以上の削減が求め られたのに対して、事務系・技術系職員 10%もの人員削減(教員は 2%程度)を行い、組織の極度なスリ ム化を行ってきました。その結果、非正規雇用が拡大し、職員全体の雇用・労働条件が悪化しました。一 方、職場の多忙は解消せず、長時間労働が蔓延しています。職員の心身にわたる健康被害も深刻な状況に あります。今回、教員数が削減されても業務量は減らないため、同じことが繰り返されるのは確実です。
もちろん、大学の業務量は単に減らせばよいというものではありません。もし、教員数削減に合せて全 学教育の授業科目数を削減すれば、北大が掲げる全学教育の理念は画餅に帰すことになるでしょう。同様 に、教職課程の維持も困難になります。こうした点を顧慮することなく行おうとしている今回の案は、“教 員数削減ありき”だと言わなければなりません。それは、北大が社会に対して負っている責任を放棄する に等しいものです。
このように、今回の大学の提案は何ら正当性を持つものではありません。北海道大学教職員組合は、こ の提案を撤回することを求めます。その上で、北大の発展方向と財政上の問題について全学的に議論し、 各方面に対して事態打開のための働きかけを行っていく必要があると考えます。